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五つの光が行き着く未来?

「小説 スマイルプリキュア!」

「小説 仮面ライダー」と同じレーベルから。
TV本編の十年後、二十四歳になったスマイルプリキュアの五人の話。

小説版お決まりの「TVではやらない内容」。
ヒロインたちが大人になり現実の厳しさに直面する、そんな現実のシビアさを書いた内容。
夢の叶った者、夢の叶わなかった者。
まぁ、「女児が知ったらちょっとガッカリするかも?」って程度のね。

最初は僕もちょっとガッカリした、小説がつまらなかったと言う訳ではなく。
「子供番組の優しい世界の希望溢れるヒロイン」と「大人になった現実の厳しさ」。
ここが売りであり、そのギャップを楽しみ、
それにどう立ち向かうかが見所であるのは分かってるけどやっぱりね。
最初だけちょっとその落差に心がチクリとした。


全部で六章。
一人一章でその後を書き、最終章で纏め。

以下ネタバレ





この小説の始まりの前提として、「みゆき達は中学時代にプリキュアになっていない」。
プリキュアはみゆきが中学時代に自分たちをモデルに描いた絵本の中の話。

第一章 星空みゆき 二十四歳
絵本作家を夢見て書店でアルバイトをするみゆきが一番「厳しい現実」だった。
そしてその書店も来月いっぱいで閉店してしまう、初っ端から悲しくなる。
結果的に一番キツイ所を最初に持ってきたのは良い采配だけどさ。
今の冷え込んだ日本の現状をそのまま持ってきたようで、
プリキュアの優しい世界で生きていたみゆきをいきなり放り込んだようで。
アニメだからこそのおバカキャラと大人になった現実のギャップはキツイぜ、かなり。
話の引き方もちょっと思う所がある。
本屋を拠り所にしていた引っ込み思案な女の子を「自分の物語を作ってね」と勇気付け、
その夜自分が中学時代にプリキュアとして活躍している夢を見る。
毎日自分の描いた絵本を朗読している内に現実との区別がつかなくなってしまったのかと驚くが、
そんな時妖精のキャンディが呼ぶ声が聞こえて、お馴染みの本の扉の中に飛び込んで終わり。
みゆき自身のこれからについては触れられないままである。
みゆきの章に関してもう少し書きたいけど他の章も関係するから一旦切る。


第二章 日野あかね 二十四歳
かなりマイルド、と言うか「その後の話」ってこんな感じだと思っていた。
「ちょっと辛いことはあるけどなんとかやってるよ」みたいなさ。
夢であった実家のお好み焼き屋を継いで、そこそこ繁盛、楽しくやっている。
高校時代は夏休みにイギリスへ渡り、ストリートでお好み焼き修行をした、
なんて突拍子の無さも子供番組のキャラクターのその後っぽくて良い。
そして恋愛、TVでも出てきたブライアンは日本の大学に留学してあかねの家に住んでいる。
ブライアンが大学を卒業したら結婚しようと思っているあかね。
でもブライアンにも夢があり、
日本とイギリスの架け橋となる為に卒業後はイギリスに帰るつもりだった。
それなら応援する、好きな人の夢が叶うなら自分も嬉しい、そして失恋でこの話は終わり。
だけどこれ絶対に数年後再会してゴールインなやつだよね。
可も無く不可も無く、でも希望は感じられる、そんな良い「その後」だった。


第三章 黄瀬やよい 二十四歳
アニメ化もした国民的大人気漫画「ミラクルピース」の作者。
漫画家になる夢が叶っただけでなく、その仕事で大成功を収める。
しかし一方で孤独な執筆作業に追われる自分と、
漫画の中でヒロイックな台詞を放ち、颯爽と危機を乗り越えるミラクルピースに齟齬を感じていた。
そして父の命日を忘れていた事が決定打となり、七年続いた連載を終わらせる事を決める。
漫画を描く事は辞めないが、今は暫くの休息を取り自分を見つめ直す事にして終わり。
夢は叶ったけど、その先は?叶った夢が幸せなものであり続けるか?という話。
憧れの仕事であっても辛い事や理想と違う事があるよねって。
もう一つ、「ミラクルピース」はそのまま「プリキュア」に置き換えられる。
(TVでは)プリキュアだったキャラクターが夢だった仕事を続ける内に、
綺麗事で勝利を収めるプリキュア(ミラクルピース)に作者としての視点で疑問を持ってしまう。
漫画家になりたかったやよいだからこその「その後」でなかなか面白かった。
人気漫画家で収入もガッポガッポという設定っていうのもあるけど、
ずっとお世話になっている編集長からは「君の漫画は多くの読者の心を救った」と励まされ、
最後の展開では新しい構想が生まれ始めている様にも見えて安心できる「その後」。


第四章 緑川なお 二十四歳
一番「その後の話」としての完成度が高いと思う。
「挫折と苦悩」を乗り越え、五人の中で唯一「新たな目標」がはっきりと提示された。
大学女子サッカーの全日本大会直前に交通事故に遭い選手生命を絶たれ、
夢であったサッカー選手はもう叶わないものになってしまっていた。
大家族の長女として兄妹達の世話をしながら、卒業した大学で女子サッカー部コーチをしている。
ある日後輩達がいつまでも自分達に口出しする自分を疎ましく思っている事を知ってしまう。
そして、一番下の妹ゆいもまた世話焼きのなおに対して「構って欲しくない」と言う。
大切な人達に良かれと思ってやっていた事が当人達に望まれていなかった。
自分はどうすればいいのか、という内容。
「家族が大事」とはこのキャラクターを形作る上で重要な事であると同時に、
「大切な人達のそばを離れたくない」ってのも現実では難しい事。
だからこの話は上手く折り合いをつけたなと思う。
最後はそばにいて寄り添うだけが絆ではないと知り、
以前から受けていたプロサッカーのコーチの仕事を受け七色ヶ丘から離れる決断をする。
作中の言葉を借りれば「家族からの卒業」、子供時代に終わりを付けて新しい未来へ進む。
断たれてしまったサッカーへの思いも世界で通用する選手を育成するという形で生き続ける。
最初にも書いたけど挫折、苦悩、成長、そして新たな目標がはっきりと納得できる形で書かれ、
すっきりと終わる「その後」だった。


第五章 青木れいか 二十四歳
七色ヶ丘中学校で、国語を教え、弓道部と書道部の顧問。
生徒や他の教師達からの信頼も篤く「良い先生」の評価を受けていた。
しかしある時「青木先生は生徒の心が見えていない」という謎の手紙が届く。
その差出人が誰かを考えている内に、一人の模範的な男子生徒ではないかと疑い始めてしまう。
自分は生徒の心を見ていなかったのか、生徒を犯人だと疑ってしまうのか。
やはり差出人はその模範生だった、青木先生なら気付いてくれると思っていたと言う彼の本心とは?
そして放課後の教室で一対一の話合い。
自分の中学時代と彼の現状を重ね合わせて、
彼が吐露した悩み「周囲から期待されることの辛さ」への回答を伝える。
想いは伝わったかは分からない、それでも少しでも彼の歩みの手助けになれば……。
スマプリで一番好きなキャラクターであっただけに期待が大きかったのか、
はっきり言ってあんまり面白くなかった。らしいっちゃらしいけどさ。
直面する問題が堅実で、悪く言えば在り来たりで、まぁ意外性が薄く普通過ぎたって事かな。
他の四人の様にもっと相応しい「れいかだからこそ」の「その後」の話があったんじゃないかって。
そして……
一冊の小説という性質上仕方ないけど、最終章への繋ぎとしての割を食ったように感じる。
実はこの「十年後の世界」の正体は、
みゆき達が中学校を卒業する直前に復活したジョーカーが作り出した仮想世界だった。
プリキュアだった事、お互いの事を忘れさせられ、
厳しい現実に向き合ってもそれを乗り越えられるか?という挑戦。
他の四人が十年後の世界を脱出した事で危機感を感じたジョーカーは
最後の一人であるれいかに悪夢として干渉を始める。
しかも話の途中からみゆき達に関する記憶が不自然に抜け落ちている事から、
この世界の違和感に気付く役回り。
種明かし役をやらされるのはさすがれいかとも言えるけど……。
最後の最後でれいかだけ「十年後の世界の話」ではなく
「十年後の世界という罠に取り込まれた話」になってしまったのが残念。
勿論他の四人も正確には後者だけどね。


みゆきの章についての続き
無垢な物語に残酷で狂気的な解釈を混ぜて不気味な物語にする手法があるじゃないですか。
それに近いものを感じてしまった。
他の四人はこれから進む道に関して大小の差はあれ提示されているのに、
みゆきだけは宙ぶらりんなまま。
そして最後はあり得ない筈のプリキュアだった記憶を思い出して光の中へ……。
ちょっとシャレにならないナニカを感じてしまう。
結果的に仮想世界でありプリキュアの記憶も紛い物ではなかった訳だけどさ。
話の途中で出版社で働くみゆきの父がみゆきの絵本を出せないかと
児童書の編集者に掛け合ってみたという下りがある。
「やはり難しいみたいだ」とみゆきに伝える父。
ここで少しでも出版の可能性を示していてくれたらなと思う。
というかなんでこの可能性さえ潰してしまったのか。
ジョーカーが作った絶望の未来ではあるけど、
五人中三人の夢が叶っているように「意図的に意地悪な世界」ではないみたいだし。
そうでなくても、なおのプロサッカーコーチの様な別の未来の可能性でもいい。
とにかく何か先に通じる切り口を見せて欲しかった。


第六章
前述の通り十年後の世界はジョーカーの罠だった。
上の方で「プリキュアになっていない」と書いてたのはそれが前提の世界の話だったから。
ちょっとややこしかったかな。
五人全員が仮想世界から脱出し、ジョーカーと直接対決。
なんだけど仮想世界から出てきたばかりで体は二十四歳の大人のまま!!
大人のまま変身するのです。

体は二十四歳のまま、私たちスマイルプリキュアは変身に成功しちゃった!
しかも、頭部のティアラは豪華になっているし、
衣装は大人っぽくアレンジされて進化しているし、
何だかウキウキでウルトラハッピー!

>衣装は大人っぽくアレンジされて進化しているし、
>衣装は大人っぽくアレンジされて進化しているし、
>衣装は大人っぽくアレンジされて進化しているし、
「大人っぽくアレンジ」がどういうものなのかとても気になりますが、
厳しい現実に直面しても希望を捨てなかった強い心に相応しい姿、という事でしょう。
あとこの描写から表紙のは大人の姿ではないって事が分かる。
たまに版権絵でも妙に大人っぽくなるからどっちか分からなかった。
この表紙だとれいかなんて特に大人っぽい印象を感じる。

そしてジョーカーに打ち勝ち、元の中学生の姿に戻って一件落着。
卒業式の後、五人でタイムカプセルを埋めて終幕。
元の世界に戻ったのだから当然だけど「優しい世界」へ回帰し、
最後はこんな風な言葉で締められている。
「仮想世界でプリキュアだった事やお互いの事を忘れていた様に、
これから先、大人になるにつれて忘れてしまうのだろうか?」
「いや忘れない。
辛くなってもプリキュアとして世界を救った事、そして友達の事を思い出そう。
幸せが見つかる筈だから」
プリキュアとして戦った事もそうだし、
先の十年間を生きた経験って相当なアドバンテージになるよね。
あかねの恋とかやよいの漫画とか未来を知っているが故に悩みそうな部分もあるけど、
基本的に不利な未来に放り出されてた訳だし、
五人全員がこの小説よりもずっと良い未来を歩めると思う。


ちょっと変則的な設定の「その後」の話でした。
「優しい世界のキャラと厳しい現実」という構図に慣れていなかった所為で
最初のみゆきの話にショックを受けたけど、最終的には楽しく読めた。
ドキドキやプリンセスの小説が出たら読みたいね。


そういや小説仮面ライダーの感想も書きかけの下書きがあったな。
いつか完成させたい。
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